2024年・11週
~カルバペネム耐性腸内細菌目
細菌感染症~
2024年03月22日
2024年・11週(3月11日~3月17日)
今週の注目感染症
~カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症~
メロペネムなどのカルバペネム系薬剤及び広域β-ラクタム剤に対して耐性を示す腸内細菌目細菌による感染症の総称です。
中でもカルバペネマーゼを産生する腸内細菌目細菌 (carbapenemase-producing Enterobacterales; CPE)は、β-ラクタム系以外の抗菌薬に耐性を示す場合も多く、特に注意が必要です。
感染経路は菌の種類により異なりますが、主に接触感染です。
感染防御機能の低下した患者や外科手術後の患者、抗菌薬を長期使用している患者などに感染します。
肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、手術部位や外傷部位の感染症、カテーテル関連血流感染症、敗血症、その他多様な感染症を起こします。
無症状で腸管等に保菌されることも多いです。
感染予防のために、入院患者のお見舞いの際は手洗いと消毒をしっかり行うようにしましょう。
また、家族が感染した場合には、喀痰や排せつ物などの処置や処理の際に手袋を着用し、終了後は、手洗い、手指消毒をしっかり行いましょう。
院内感染対策として、ドアノブ・手すりなど手が触れる場所の清掃・消毒により院内の環境を清潔に保つこと、医療器具の消毒や手洗いを徹底することが重要です。
海外からの輸入事例の報告もあることから、海外の医療機関において入院治療を受けていた患者の受け入れ時には、各種の耐性菌のスクリーニングを実施する、アウトブレイクが疑われる場合は、管轄の保健所へ相談・報告をする等の対応により感染拡大防止につながります(参考 腸内細菌科のカルバペネム耐性菌について(情報提供及び依頼) 厚生労働省通知
>>詳細はこちら )
【神奈川県感染症情報センターより参照】
(2024年3月22日更新)